母 校 の 受 賞 者 紹 介


日本学士院賞受賞
 
中西 聡教授 (日本経済史)
海の富豪の資本主義 北前船と日本の産業化」



日経・経済図書文化賞受賞
 
小堀 聡准教授(近現代日本経済史)
「日本のエネルギ−革命  資源小国の近現代」
 
2012年3月19日     事務局

 
■母校名大経済学部の中西聡教授(日本経済史)が、第102
 回(平成24年度)「日本学士院賞」を受賞されました。
 受賞対象の研究は、「19〜20世紀初頭の日本海沿岸航路
 における北前船の商人的活動実態の数量的研究」です。

 北前船の船主が巨大な商人的利益をあげ、その利益を出身
 地の地域経済の近代化に投下し、近代日本の産業化を推し進
 めた史実を、主要船主が残した膨大な経営帳簿を綿密に分析
 して数量的に解明しました。これまで分離されがちであった
 近世経済史と近代経済史の研究を統合し、日本の近代化・産
 業化を支えた膨大な資金の担い手の実態を歴史的に初めて究
 明した独創的・画期的な業績であると高く評価されています。
 なお、因みに、教授はわれわれの恩師塩沢君夫元教授の講座
 引き継いでおられます。

■先に第99回(平成21年度)の「日本学士院賞恩賜賞」を
 受賞された安藤隆穂教授(社会思想史)に次ぐ快挙であり、
 大きな拍手をおくりたいと思います。
 経済学関係からの「日本学士院賞」受賞は稀で、日本経済史、
 社会思想史といった歴史部門からの連続受賞は、母校教授陣
 の学問的研究水準の高さを如実に示しており、同窓生の誇り
 でもあります。心から祝意を表したいと思います。
 因みに安藤教授の受賞理由は「フランスを中心とした自由
 主義思想成立過程の研究(公共権の思想)」です。教授は、
 世界におけるアダム・スミス研究の第一人者であり、われわ
 れの恩師でもある水田洋名誉教授の愛弟子で、その講座を引
 き継いでおられます。

■さらに、同じ経済学部の小堀 聡准教授(近現代日本経済史)
 が、2012年度「日経・経済図書文化賞」
を受賞されまし
 た。受賞対象の研究は、「資源制約に対応した日本経済社会の
 形成過程をエネルギ−革命の視点から解明した研究」です。

 戦後日本の経済復興から高度成長への転換過程である19
 50年代の経済史像を、エネルギ−革命の視点から再検討し、
 需給両サイドから官民あげて取り組んだエネルギ−革命の複
 合的構造を実証的に解明した研究として高く評価されていま
 す。斬新な発想と優れた構成、綿密な論理展開と膨大な実証
 研究等、戦後経済史・環境史研究に新しい局面を拓いた画期
 的成果と言われています。

 本邦における経済学研究者が斉しく目指すと言われる今回
 の受賞は、気鋭の少壮学者にとっても大きな励みになること
 でしょう。同窓会0Bとしても喜ばしく、エ−ルをおくりた
 いと思います。
 折しも福島原発事故によるエネルギ−政策の大転換が目前に
 迫っています。原子力政策を含めた新しいエネルギ−政策の
 あるべき姿・方向について積極的な発言を期待しています。
                          (佐藤治記)


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