2−3、40歳定年リセット制に国民的合意を
 
2012・8・24   中 山 明 俊


 本日の主題になっている「40歳定年制リセット」の提言についての 意見であるが、きっかけになっている「国家戦略会議・フロンティア分 科会の報告書を読んでいないので、適切な判断ができるといったことに 不安は感じているが2つの資料を読んで考えてみたところを記してみたい。

40歳定年リセット提言を中心話題として
    論じて日本の社会がよくなるのだろうか?

・日本の社会経済の現状で感じていること
 バブル崩壊後20年余り日本経済は停滞を続けていること。
 産業界は活況を取り戻せる可能性をまだ見出せていない。
 雇用機会が極端に減っている。新卒者をはじめ若者はほとんど雇用機会がない。
 ワーキングプアはの事情は改善されていない。
 超高齢化現象はますます加速している。しかも、人口減少社会が進行していく。
 年金負担は増加するばかり。国家財政は悪化の一途。

 日本の社会経済をトータルで構造改革する変革のアクションプランが今必要だ。
 40歳定年リセット制を唱える以上に、日本全体の変革の見通しを国家戦略会議は  提案すべきであろう。同時にその提言に国民の合意が必要ではないか。

 特にトータルな構造改革のアクションプランというのは、社会制度、経済状況は いろいろな要因が複雑に絡んでいて、1つ、2つの制度改正をしても実行しても、 個別の政策の改善ぐらいでは、経済に有効な手は打てないということをもっとはっきりと確認すべきではないだろうか。それができていないから、20年余りも停滞経済を続けざるを得なかったのだ、と私は理解している。

 政府は無策である。年金も、財政も一体改革といいながら、具体的に手を打たれていない。公務員制度改革など難しい問題は先送りばかりだ。消費税だけを上げればいいわけではない。

 毎年国家財政に負担を強いている年金問題はこの先15年ぐらいで動きが取れなくなるだろう。フロンティア部会報告で言われている「2050年の日本は?」といわれてもどんな状況になっているか、想像すらできない。






 前向きに戦略の展開を考えると、
 今後は人口減少社会をにらんで必ずしもGDPの拡大戦略を考える必要はない。
 しかし主流の産業には付加価値が高い産業をすえなければならない。製造業に置き換わるようなの産業、人口減少といえども、一人当たりのGDPは伸びなければならない。
 産業分野では、高品質であっても価格競争にさらされる分野から離れ、新規技術開発を中心産業を決めていかなければならないだろう。また工業中心から、消費サービスに産業に比重を移していくことになるだろう。

 細かな議論は別のところで論じることとして、ここでは
  @社会制度をどう動かしていくか?
  A40歳定年リセットシステムに関連して労働構造というか、働くシステムを  どう組み立てるか?
 ついて触れてみたい。

@社会制度をどう動かしていくか?
 今最も大事なのは、社会制度の新しい構想である。
 日本社会をこのようにしていけば、展望が見えてくるという社会構造の構築だ。
 その実現のために、政策はこうしていくが、
   「国民の皆さん一緒に考えてくれるか!」
 このような国民的合意が必要である。
 「国民の皆さんこのように日本をしていきたいが、同意可能だろうか?
こういった問いかけが必要なんだ」

 もちろん、政策立案は、政府で、国家戦略会議ですべきであるが、実施、展開には 国民に十分な説明と国民的合意が必要である。

A40歳定年リセットシステムに関連して労働構造というか、働くシステムを  どう組み立てるか?
  ここでは、次の提案をしたい。
「人口減少社会のテーマも取り込んだ生涯現役社会の実現」
 人は働けるうち働く。自分自らが日本の社会を作っていく自覚を持つ。

 日本の社会を自分が支えていくと考えたら、ずーっと活き活きと生きていける。
 そんな事態になったら、働いて報酬を受け取りで、何歳になっても年金の受け取りを辞退する。(国民的合意があれば年金問題は解決)
 この発想がなければ、増大する年金問題支給は解決できない。






 働く喜びが増大して国民の気持ちが活性化して、意識が変わってくる。
 意欲的に働けば、健康維持も容易である。医療費は大幅に減ってくる。
 消費税を上げなくてもいい。プライマリバランスは黒字になる。
 問題は雇用機会の創出、これは前半のところで触れた、これからの主流産業の構築で明らかになる。これにも産業界の積極的合意が必要なことはいうまでもない。

 予想するに元気な高齢者(定年という制度のために仕事の場から追い出されて人たち)がいっせいに働く意識になれば、人口減少社会になっても労働力はおそらく供給過剰になると思う。
 そうすれば半日労働し、残りの半日はボランティアで介護活動をすればいい。午前働く人と午後働く人と交代すればいい。ボランティア活動で介護保険も大幅に黒字になる。

 さて、問題は雇用の場の創出である。経済需要は消費生活のサイクルでも、相当な量である。半日の労働時間ならば、サスティナブルな社会は十分に維持可能である。

 このような国民的合意が得られれば、「坂を転げ落ちる日本」といわなくても、 2050年は衰退の社会ではなく、明るく活気のある、幸福に満ちた社会がイメージ できると思うがいかがだろうか。

 上のような展開ならば、「40歳定年リセット制」は必要ないであろう。
 何歳になっても、現役の仕事を続けていくために、自分が保有しているノウハウが  陳腐化したら、自分から学びなおす気持ちが湧いてくると考える。
 これからの日本社会はこれぐらいの発想の転換が必要であり、そのために、そのような徹底した国民的合意が必要なのではないだろうか。

                                              

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